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独立行政法人国立長寿医療研究センター 近藤和泉先生より現地リポート(4月18日)

日本リハビリテーション医学会HPより許可を得て転載


4/94/13の当院からの災害派遣(岩手県山田町_山田南小学校)と、その翌日に被害が特に大きかった宮古市鍬ヶ崎地区に行って参りました。簡単に現地の状況を報告させていただきます。

長寿医療研究センターからの派遣は第二陣で、チームの構成は医師(近藤)1、看護師1、薬剤師1、事務職2でした。仕事は、山田南小学校の災害時臨時救護所における診療活動です。診療は外来だけではなく、入院扱いとなる隔離が必要な感染症(インフルエンザ、感染性胃腸炎)および介護ニーズがある高齢者およびHD患者などの回診・管理などでした。診療は国立病院機構がローテーションを組んで派遣している他の2チームと、北海道医療振興財団から派遣の医師1名、さらに北海道の医師会を通じて派遣された手稲溪仁会病院の1チームが協力して行いました。

現在、震災・津波被災の直後とは異なり、現地の医療機関の診療活動が徐々に復活し始めている状況ですので、外来患者も私が行く直前の200250/日から減少し始めており、診療を担当した3日間は、104名(日曜なので少ない)、175名、131名と徐々に少なくなって来ています。医療支援の形も、災害直後の救護所活動から、診療を再開した医療機関への医師の派遣に切り替えるフェーズとしてのニーズ高くなってきています。

災害派遣の形が、一般派遣でリハ科としての診療を提供するものではなかったので、特にリハニーズが大きい方に限定した診療は、ほとんど行いませんでした。このため、学会で用意していただいた調査シートは使用できませんでした。また避難所の生活環境が悪いこともあり、ケアのニーズが高い方は、避難所では生活出来ません。加えて、チームの看護師が1名だったために、当直業務のカバーを行わなければならず、2日目の夜はほとんど眠らずに感染性胃腸炎の子どもの管理や摂食介助などを行っていました。

今後の見通しとして、地域の医療施設の復活により、内科・外科などの基幹となる医療は提供でき始めているものの、よりマイナーな小児科・眼科・耳鼻科などは、元々医療を提供できる診療所の数が限定されていところへ被災して、亡くなってしまった方もおり、医師自体の数が減少しています。このため診療を再開した医療機関へ、特定のニーズがある専門性の医師を派遣するか、あるいは、被災しなかった医療機関へ通院するための交通手段の確保が必要とされています。

避難所に付属した救護所では、検査やレントゲンを撮ることもできず、医療行為自体も限定されていましたが、同じくリハおよびケアニーズが大きい方は、基本的に避難所での生活は困難です。このため、こういった方の病院ないし施設収容を一時的にも考える必要があります。当院では、看護師不足に伴って、一時閉鎖した病棟を被災した老健に使ってもらい、スタッフおよび入所者を丸ごとこちらに移ってもらう計画を立て、募集を始めています。

学会としては、今後、患者さんを個別に受け入れる病院の情報を提供するだけではなく、施設を丸ごと移転する形で収容し、失われた地域のケアを肩代わりする橋渡しをしても良いのではないでしょうか? リハの医療の部分だけではなく、ケアの部分にも目を向けた支援が必要と考えています。

以上、簡単ですが、現状報告に加えて、私見を述べさせていただきました。

独立行政法人国立長寿医療研究センター 近藤和泉

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