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日本作業療法士協会HPより『応急仮説村への提言(1)』
日本作業療法士協会HPより
http://www.jaot.or.jp/members/members/

 災害対策本部からのお知らせ(第16報) 4月26日

 

応急仮設村への提言(1)

−普通の暮らし、安心、笑顔のある住まいの提言―

                        

日本リハビリテーション工学協会理事長

同SIGすまいづくり代表

神戸芸術工科大学教授

相良二朗

              

                     兵庫県立総合リハビリテーションセンター

                     名誉顧問  澤村 誠志      

                    

(社)日本作業療法士協会

                     会長  中村 春基

  

  東日本大震災に向けた応急仮設住宅は相当長期間にわたり、新たな地域社会として機能することが求められる。つまり、仮の家屋を建設するのではなく、仮住まいする町や村を創る姿勢が重要であり、画一化に陥らない工夫が必要である。

 以下に、阪神淡路大震災での経験をもとに提言をまとめた。活用頂けたら幸いである。

なお、具体的な提案については、仮設住宅の図面、環境等を鑑み、引き続き提案を行う。

 

1.バリアフリーについて

 ①大規模災害の後に建設される応急仮設住宅は法が定めている2年間では終息し得ないことは阪神・淡路のときにあきらかになった。当初から4年もしくはそれ以上の生活に耐える仕様で建設するべきと考える。

 ②仮設住宅は杭打ち基礎の上に床が載り、その上に設備が載る構造で建設されるため、浴室出入り口に30cm程度の段差が生じてしまう。

 ③浴室、洗面、便器が一体となった最小規模のユニットバスルームが設置されることが多いが、使用頻度が高い便所の利用に30cmの段差通過は全てに人に大変な動作を強い、高齢者や下肢に障害のある人には越えられない段差となる。

 ④阪神・淡路のときはボランティアによって踏み台が制作配布され、長岡のときは踏み台が完成時に標準的に設置された。

 ⑤使用頻度の高い便所を独立させた構成とするか、ユニットバスが載る床の一部(基礎)を下げ、段差を10cm未満とすることが望ましい。

 ⑥浴槽横や便器の横には手すりが標準的に設置されるようになったが、出入り口段差の部分にも縦手すりを標準的に設置することが望ましい。

 ⑦ユニットバスのドア幅が狭いため、介助での通過や補助機器使用での通過が困難である。親子ドアなど広く使用できるドアが望ましい。

 ⑧現在用いられている1216タイプのユニットバスルームでは基本的に狭く、高齢者等の使用には適していない。1418タイプが設置できるよう仮設住宅の最低基準を改めるべきである。

 ⑨連棟で建設される仮設住宅は、敷地が傾斜している場合、敷地が下がるにつれて出入り口段差が大きくなる。阪神・淡路のときは70cmを超える住宅もあった。蹴上16cm、踏面30cm程度の緩い階段で、片側には手すりが設置できるような配慮が必要。

 ⑩玄関出入り口部分には段差のないデッキがあると車いすでのアプローチを仮設スロープで対応することが容易になる。住民間のコミュニケーション促進にも効果的である。

 ⑪玄関出入り口部分にも縦手すりが欲しい。屋外の段差昇降のためと、屋内での履物着脱時の立ち座りのために、それぞれ必要(もしくは設置準備として取り付け下地を施行)。

 ⑫欧米からの輸入住宅は設備や窓の高さが高いので日本人高齢者の身長には適合しないことがある。

 ⑬阪神・淡路で建設されたグループホーム型仮設住宅は独居高齢者等に対して有効に機能した。

 ⑭車いす使用者が入居することがわかっている場合は、床段差が小さい住戸に入居できるよう、機械的でない住戸割り付けが必要。 

 

2.暑さ対策と寒さ対策について

 ①直射日光による照り返しを防ぎ、風が通る工夫をする。

 ②屋根にフックやヒートンをあらかじめ設けておき、簾や縦簾を掛けたり、朝顔やへちまなどつる性植物を育ててグリーンカーテンをつくったりできるようにする。

 ③壁面へ蔦や山葡萄などを這わせることで、直射を和らげるととともに、棟ごとに表情を持たせ、3.−⑧と同様の効果を与える。

 ④庇にて夏の高い位置からの日差しを遮り、冬の低い位置からの日差しを入れるようにする。

 ⑤屋根の上や壁に打ち水を掛けて気化熱で温度を下げることを容易にできるように、各戸に屋外水栓を洗濯機用以外にも設置する(分岐水栓でも良い)。

 ⑥小屋裏のない陸屋根形状の仮設住宅が一般的であるが、切妻造にすると輻射熱の室内への伝達を和らげ、小屋裏に収納スペースを確保できる。

 ⑦ソーラーパネル付き排気扇(船舶キャビン用品)を屋根に設置し、小屋裏の熱気を排気する。冬場はシャッターを閉じる。

 ⑧寒冷地からの輸入住宅は窓が小さく風通しが良くない設計のものがあるので発注時に注意が必要。

 ⑨使用に伴い、隙間が生じやすいので、目張りやコーキング剤などによる補修方法を伝達する。

 ⑩豪雪地帯も含まれるため、雪下ろし対策を考慮しなくてはならない。

 ⑪太陽光温水装置や太陽光発電装置などの自然エネルギーの積極的利用を取り入れる。

 

3.コミュニティとしての機能について

 ①連棟が整然と並べられることが多いが、10軒程度がクラスターを構成しやすい配置計画が望ましい。

 ②クラスター単位で集える広場や、共同利用スペース、共同キッチンなどが個別のもの以外にあるとよい。

 ③個々の住戸⇒10軒程度のクラスター⇒応急仮設住宅村といった階層構造を誘導する。

 ④住宅だけでなく、商店や理美容など被災前の職業を継続できるよう、希望者には居住空間だけでなく店舗スペースも合わせて提供することで応急仮設村の機能が充実(住民の利便性が向上)し、自立再建も早めることができる。

 ⑤長い連棟であっても、住戸の間に④の店舗を挟むことで物理的にも意識的にもクラスター化が容易になる。

 ⑥交通手段の確保と敷地の有効利用のためにカーシェアリングシステムなど、共同利用の仕組みを導入する。

 ⑦独居高齢者も多数想定されるため、仮設村の一部にはグループホーム型仮設住宅を建設し、村の中の一部として存在させ、交流や互助を容易にする。

 ⑧仮設住宅は同形同色の住戸がならび、殺風景な風景となるとともに、住民や来訪者には個々の住宅の位置が分かりにくい。アートやデザイン系の学生ボランティアの力を借りてワークショップを行い、住民と一緒に住宅の壁面を飾ったり、着彩したりすることで、アイデンティティを高め、「私の家」という気持ちを持ってもらうようにする。

 ⑨復興に伴い、恒久住宅へ転居する人が増え、歯抜け状態になり、地域力の低下や治安の低下が生じる恐れが想定される。空家の積極的な利用が求められる。  


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