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日本作業療法士協会HPより「生活機能対応専門職チーム」の活動報告
http://www.jaot.or.jp/members/members/
より転載。


災害対策本部からのお知らせ(第17報) 5月2日

 

協会パイロット事業「生活機能対応専門職チーム」の活動報告

 

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災による被災地への支援活動として、3月16日に現地への具体的な支援体制や方法が検討された。その後、被災地である現地や避難所などで「本当に希望・要望される支援は何か(現地ニーズの把握)」と「生活機能対応専門職チーム」として提供できる支援が合致するのかを十分に打ち合わせた。現在、第4次隊が4月30日までの予定で活動をしているが、協会パイロット事業として4月3日の第1次隊の派遣から4月23日までに第3次隊の派遣を終了したので、ここまでのまとめを報告する。

 

【結団式及び壮行会:平成23年4月2日(土)】

 当協会からは、中村春基会長をはじめ第1次隊員が結団式に参加した。

【第1次隊:平成23年4月3日(日)〜4月9日(土)】

 OT協会隊員:遠藤浩之、加藤尚子

 チーム隊員構成:現地調整PT1名、リハ医1名、PT2名、ST2名、SW2名、介護福祉士2名

 4月3日の早朝に都内を出発し、午後には現地に到着して介入先となる若林区役所を訪問後、若林体育館を視察した。翌4日より、若林区長への挨拶などの後に体育館での活動を開始した。避難者数は、流動的ではあるが320名前後と報告されている。避難所となっている若林体育館では、自治会長などに挨拶し、生活環境設定のための避難住民の生活状況の把握を行うとともに、躓き防止のために体育館シートの継ぎ目補正、図書スペースなどの公共の場を設置した。その後の5日以降も、洗面所周囲の水廻りや子どもスペースの設置など生活環境を整えることから、避難所生活をできる限り自宅生活と同じような生活リスムで送ることができるような活動を継続した。

 また、6日には、若林区立七郷中学武道館の避難所を視察し、介入の状況を検討した。

 7日深夜に発生した震度6の地震により、避難所内の不安が高まったために8日は体育館内への介入を中止し、9日の午前中に最終の状況を確認して第2次隊に引き継ぎを行った(遠藤は、10日の靴の配給への調整に関与してから帰京した)。

【第2次隊:平成23年4月9日(土)〜4月16日(土)】

 OT協会隊員:大越満、浅海奈津美、高梨信之

 チーム隊員構成:現地調整PT1名、リハ医1名、PT2名、SW2名、介護福祉士3名

 4月9日の引継ぎ後、翌10日から介入を開始、第1次隊の活動内容を継続した。第2次隊介入時の避難者数は、第1次隊とほぼ同じの320名前後と報告されている。

 若林体育館では、10日に寄附品のスニーカーの配布作業に協力した。その際、靴の着脱状況や外出の機会の有無などを観察調査し、生活不活発病の危険があると思われる避難者の発見に努めた。

また第1次隊を引継ぎ、体育館シートの継ぎ目補整および躓き予防、隙間風部分の目張り、洗面スペースの保清の工夫など、生活の安全面の整備に努めた。

 避難所内の生活が落ち着いてきた印象から、「パソコン使用の手引き」や「体育館周囲の情報マップ」などを作成、インターネット接続可能な公共のパソコンの「お気に入り」に支援サイトや公共機関のサイトを入力する等、避難者への利便性や外出の機会提供に向けた活動を行った。毎日続々と届く多様な掲示物を、必要な人が見逃さないよう掲示板を整えた。

 第2次隊の介入期間に、それまでは土足で往来していた避難所内が、15日の避難所一斉清掃をきっかけに、体育館入口からの土足厳禁、トイレ内のスリッパへの履き替えなどが実施され、衛生面での工夫が推進された。

 なお11日には、宮城野区の避難所である宮城野体育館に介入に向けた視察を実施、寄り合いスペースの設置を行ったほか、生活環境の相違についての検討を行った。

【第3次隊:平成23年4月16日(土)〜4月23日(土)】

 OT協会隊員:日隈武治、小林毅

 チーム隊員構成:現地調整PT1名、PT2名、ST2名、SW2名、介護福祉士2名

 4月16日に引継ぎ後、17日より宮城野体育館への介入を開始するために、若林体育館担当と宮城野体育館担当の2班に分けた。

若林体育館では17日にシルバーカーと杖を希望者に配付しながら、歩行や移動の不安定者や生活不活発病が危惧される避難者を観察した。その後も、生活環境整備をしながら、シルバーカーや杖を配付した避難者を中心として、活動性が乏しいまたは活動性が避難前よりも低下したと思われる方々に注意を払った。この時期の避難者は、280名程度と前週より若干減ったことが新聞で報じられた。なお、この週から小中学校の新学期が始まったことなどもあり、平日の日中では避難所に滞在する避難者数は50名程度と見受けられる人数であった。

 宮城野体育館は、小中学校の新学期を前に、9日以降に避難所の集約化を目的に設置され、220名程度が避難していると報じられている。宮城野体育館では、あらかじめ保健師がチェックした「生活不活発病ハイリスク者」に対して、個別的に杖の配付やリハビリテーション的な介入を実施した。

 両体育館共に、基本的な生活不活発病予防、生活の活発化への改善を目的とした介入を実施して、23日に第4次隊へ引継いで帰京した。

 

以上の第3次隊までの活動から、震災被災地域での避難所への介入では、

 ・避難所には心身ともにとても困難な境遇に置かれている方が、プライバシーのない環境で、集団生活していることを理解して介入すること

 ・避難所での生活を余儀なくされている方々は、環境的な要因などから「今までしてきたこと」や「したいこと」を大きく制限される日々の中、非日常的な多大にストレスを受ける状況にあること

 ・避難所で生活する住民の方々の活動・参加が促進されるよう、生活様式の選択肢をもてる生活環境を提供すること

 ・避難所を運営している組織やその特徴(指示系統やキーパーソンなど)、住民のコミュニテイを理解して介入すること

 ・多職種チームである利点を生かすため、職種による視点の違いを積極的に捉えて情報交換や意見交換を行い、介入方法や環境整備を工夫していくこと     

 ・画一的な「リハビリテーション的介入」を提供するのではなく、震災の被害状況や被害発生からの時間的な経過、避難所の環境などに応じた臨機応変の介入、(状況によっては介入を敢えて抑制することも)が重要であること

 ・ 「作業療法」という専門性をアピールして直接的な個別的な介入するのではなく、専門性をもった視点で避難者の生活が安全、安心に送ることができる環境を整えること

 ・避難所内の方々だけではなく、避難所間の平等性にも十分に配慮すること

 ・多くのボランティアや支援団体が介入する中で、避難所で生活を送る住民の方々が混乱しないためにも、自らの役割や避難者との接し方に配慮すること(災害に世間の注目が集まる震災後初期に支援が飽和状態となることは、災害時の避難所支援の特徴と現実である)

 ・避難者への生活支援の継続性を保つためには、「外部からの専門職による介入をいかに地元の保健医療機関に引き継ぐことができるのか」を念頭に置きつつ支援すること。生活機能の復興(再建?)には、その地域の保健医療機関などの通常能力の枠を一時的に肥大化させた介入よりも、将来その地域にスムーズに引継がれ得る、細く長い介入が重要である。

が、特に重要であることが確認された。これらのことがらは、今後、支援先が避難所以外に広がっていった場合にも、ボランティアとして支援に携わる作業療法士が認識しておくべき事項と思われる。

 本事業は、第4次隊以降は週末のみの介入として頻度を減少し、避難所での生活の活性化を経過的に観察しながら、必要に応じてあらためてチームの招集を呼び掛ける予定である。

 

平成23年4月26日

第3次隊員:小林 毅 報告


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